虚空旅団さん番外公演ちゃぶ台リーディング『逃げ水』
千秋楽公演を鑑賞してきました。
学生劇団時代の後輩、土肥希理子さんが出演されるということで。
場所は梵屋(そよぎや)なんてさん。
すごく雰囲気のある長屋で、昔は呉服屋だったそうです。
この和室の空間と公演の雰囲気がすごくマッチしてて、会場にはいい香りが漂ってて、場所の力ってすごいだなと思いました。
舞台と客席も同じ畳の上で、役者さんたちと同じ目線で観劇することができました。
開幕して役者さんの声を聞いた瞬間、身体にビリビリってくるものがあって。
この状況下ということもあり、小劇場というか、演者と観客の距離が近い公演を鑑賞するのがめちゃくちゃ久しぶりだったんですよね。
だから第一声を聞いた瞬間、身体が「これだ~!!」みたいな。
「これ、これ!生の役者さんの声!待ってました~!」みたいな。
目が、耳が、脳が、身体が、演劇を浴びられることを全身で喜んでるなと感じました。
いやー、いいね、やっぱり。生は。
リーディング公演というものを観るのは実は初めてだったのですが、思ったより役者さんの動きが色々あったり、効果音がポイントポイントで使われていて引き込まれました。
BGMも効果音もほとんど無くて、必要最低限に絞られてて好きでしたね。
ハヅキさんと岩垣さんのシーンは全部胸が苦しくなったし、
乃絵さんとはるなちゃんのシーンはすごく刺さりました。
「起こったことと他人は変えられないけど、これからのことと自分は変えることができる」ってのは元々好きな言葉なので、出てきて嬉しかったですね。
まぁ、自分を押し殺し過ぎない程度にね。
これは前からだけど、希理子さんの感情を大きく出す演技が好きです。
今回もうるっときちゃいました。
人形劇の演目を決めるシーンで色んな作品が出てきた所も興味深かったです。
個人的には「3匹のやぎのがらがらどん」は好きな方です。
がらがらどんがかっこよすぎて。確かに描写は残酷なんですけど。
「スガンさんのやぎ」はあらすじ知らなくてこの公演で初めて知ったんですが、個人的にめちゃくちゃ好きな話でした。
ちょっと絵本探して買おうかなって思うぐらい。
たとえオオカミに出会って食べられる最期だったとしても、野山を駆けまわって、おいしい草を食べた数時間は、やぎにとっては1番「生きてる!」って思った時間だったんじゃないかなぁと。
しかもオオカミに出会って一晩中戦ったんでしょ?
超絶かっこいいじゃないですか。最高に生きてますよ。
いやー、大好きな話になりました。
こういうのって自分の価値観出ると思うので、色んな意見があってそれもおもしろいんだろうな。
パンフレットの言葉に「『不要不急』と言われて1年余。」ってあってちょっと涙ぐみそうになったんですが、これからも演劇界の皆さんを応援していきたいです。
出演者、関係者の皆さま、公演お疲れさまでした。