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『Question』編集後記

4月23日0時、なるらんどさん企画「ワンテーマボイスドラマ」のテーマ【サスペンス】参加作品『Question』をUPさせていただきました。

ここではその背景というか、裏話を書いていこうと思います。

 

※作品のネタバレを含みますので、作品を聞いていただいてから読んで下さい。

 

●脚本について

 

「サスペンス!?短編で!?7分!?いや無理やって!!」

――こひらがテーマと分数を聞いた時の率直な感想です(笑)。

特にサスペンスものに好んで触れてきた方ならともかく、今までほとんど触れてこなかったので、まず「サスペンスとは何ぞや」というところから始まりました。

なので、最初にこひらがとった行動は「『サスペンス』をググる」でした。

結果、「ある状況に対して不安や緊張を抱いた不安定な心理、またそのような心理状態が続く様を描いた作品」というのが出てきました。(by Wiki先生)

そのおかげで、自分が何となく思い描いていたサスペンスはごく一部であり、必ずしも刑事や探偵が出てきて推理をしないといけない訳ではないことがわかりました。

個人的に好きなサスペンスと言うと、2015年のコメディサスペンス映画『エイプリルフールズ』が思い浮かびます。

ですが7分でトリックを詰め込める技量は私には無いし、それだと最初からクライマックスになりそうだし、説明台詞は少なくしたい。

という訳で私は「とりあえずハラハラドキドキさせたらいいのかな…?」と解釈し、PCに向かったのでした。

 

色んな「おすすめサスペンス映画」のページを眺めたり、夫に「サスペンスって何!?」と食ってかかったり、サスペンスもののあらすじを読んでみたり、夫に「こんなのどう思います…?」と相談したり、サスペンスもののダイジェスト動画を観てみたり、夫に「いやそれだとこの方がよくない?」とアイデアをもらったり、主にネットと夫の助けを得てこの脚本は出来上がりました。

 

書いた後の私の感想は「黒い…!!私黒い…!!何てことさせるの…!!」でした。とは言えテーマ公開から無事数日で脚本が書き上がったため、次の段階に参ります。

 

●キャストさんについて

 

 今回のキャストさんは、康宏役にKKさん、女性他役に月原舞さんにお越し頂きました。

まず康宏役のKKさん。

『JOKERS』5話のバルド、『加賀見山旧錦絵』弾正と、最近のこひら作品の悪役を一手に引き受けて下さっているKKさんに、今回も悪役(?)をお願いしました。

今まで聞いてきたどのキャラとも違うお声、更に妻子がいそう、とりあえず見た目は妻子を大事にしてそうなお声と演技、切羽詰まってくるシーンの怯え具合など、もう様々なKKさんのお声と演技を堪能できます。

編集しながらちょっと申し訳無い気持ちになったのですが、そこはまぁ役が役なので、ね。うん。

そして女性、と思わせて娘の結月役、更にスマホのアプリ音声も担当して下さった月原舞さん。

今回台詞のほぼほぼ全部を加工しなくてはいけないという特殊設定に、「いやこれ演じてくれる方いらっしゃる…?」と不安になりツイートした所何人かからありがたいことにお声がけを頂き、その中から条件に合った月原さんにお願いしました。

恐ろしいことに、台本をお渡しした6時間後に音源が提出されてきたというびっくりな現象が起き、更に中身が素晴らしすぎて一発OKでした。

月原さんと言うと天真爛漫な明るいキャラが思い浮かぶのですが、無機質な女性声の素晴らしさ…!イントネーションと言いテンションと言い、これはどんぴしゃだと思いました。

そこからの最後の台詞、唯一「結月」として喋る一言の破壊力。

まばたきを一切せず康宏を見据える結月の顔が、見えたような気がしました。

お二人とも、本当にありがとうございました。

 

●編集について

 

 編集は今回もサクサク進みました!

始めるまでは重い作品なので集中せねば!という気持ちと自分でもちょっと怖いなという気持ちがあり、ある程度の覚悟がないと編集できませんでした。

ですがいざやってみると進む進む。

女性がヘッドホン越しに喋る部分にはノイズを入れ、衣擦れの音を細かめに入れて工夫してみました。

またBGMに関しては、今回使いすぎない方が怖いなと思ったので、物語の半分ぐらいからやっと使っています。

結月が違う部屋からゆっくりやってくる所は、音声を左右にふってリアルな感じが出るといいなと思ってやりました。

ラストで結月が康宏のヘッドホンを外すのですが(ちゃんとそう聞こえたかな…ちょっと不安)、あれは私のMyヘッドホンです。編集用のゴツいの。

何回も収録してそれっぽく聞こえたものを採用したのですが、聞こえなかったとしたら私の収録ミスです…。

とは言え、今回もとっても楽しく編集できました。

 

●最後に

どんどん参加者様が増えていく「ワンテーマボイスドラマ」、今回も参加させて頂きありがとうございました。

色んな企画者さん、声活動者さんを知るきっかけにもなりますし、これからも参加していこうと思います。

どうぞこれからもよろしくお願いいたします。