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『最後の遊園地』編集後記

6月25日0時、なるらんどさん企画「ワンテーマボイスドラマ」のテーマ【メリーゴーランド】参加作品『最後の遊園地』をUPさせていただきました。

 

ここではその背景というか、裏話を書いていこうと思います。

 

※作品のネタバレを含みますので、作品を聞いていただいてから読んで下さい。

 

●脚本について

 今回のテーマは「メリーゴーランド」ということで、楽しい雰囲気…のように思えますが、同時にちょっと寂しい雰囲気も持ってるなぁと思いました。

恩田陸さんの「回転木馬」とか、NieR Automataの廃墟の遊園地とか、何かそういうものがグルグルと脳内を駆け巡り、その場のテンションに任せて書いたのが今回の脚本です。

ちょうどその頃、日本の人口減少についてのニュースが流れていたんですよね。

それを見て、自分のこともちょっと考えたりして、色々思うことがあって。

そうして生まれたお話です。

 

色んなことがあった上での、遠くて近い、未来のお話になりました。

多分、聞く人によってどう感じるかが変わる作品かなと思っています。

でもこの作品は別に社会への問題定義とかそういうものではなく、「多分このままだと遠くて近い未来にこんな感じの未来になるのかなぁ」という予想です。

この数年、世界規模でコロナ禍に襲われて、色んなものが変わりました。

それが落ち着いた後に戻るもの、戻らないもの、色々あると思います。

これを聞いて何を感じるかは自由ですが、結局はどの未来でも、人間はそれに応じて適応していくだろうし、人々はそれでもちゃんと強く生きていくと思います。

ただ少し切なさと寂しさがある、という感じの雰囲気が出せればいいかな、と。

 

余談ですが、作中に書いた徴兵制みたいな介護制度は別に私の希望ではありません。

介護福祉士として働く中で、延々人手不足が叫ばれていて、それでも年々要介護者、ご高齢の方は増えていっています。

その渦中にいると、「私がおばあちゃんになった頃はどうなってるんだろう」と思わざるを得ません。

願わくば、強制ではなく、仕方なくでもなく、介護だけでなく、福祉の未来を支えて下さる方が今後もいらっしゃいますように。

私もボイスドラマという媒体を通して、介護や福祉に対するイメージを変えていきたいと思っています。

 

●キャストさんについて

 今回は募集ツイートにご反応頂いた方から2名、ご依頼させて頂きました。

まずお母さん、陽菜役に水沢とおるさん。

いやーめちゃくちゃ自然なお母さんを演じて下さいました。

本当にドラマに溶け込んでいると言いますか、「そこに実際にいる」って感じがしてすごく好きなお声と演技でした。

そして娘の綾乃役に春川鈴香さん。

変わってしまった世界で、その世界の中で生きてきた、その時代の女の子。

春川さんと言えばとってもかわいいお声と演技のイメージでしたが、今回はかわいいだけではない、クールでちょっと悟った感じの綾乃を素敵に演じて下さいました。

 

ちなみに2人の名前、「陽菜」は2022年現在に多い、赤ちゃんの名前だそうです。

かわいらしい名前が多くなっていて、そのブームが一旦過ぎ去ったら、またちょっと古風寄りな名前ブームが来てるかもしれない、なんて思いながら娘の名前を「綾乃」にしてみました。

 

 自然な親子の会話を演じて下さったお二人とも、本当にありがとうございました。

 

●編集について

 

 今回も編集は早かったです!

とにかく会話を聞かせたい、演技を聞かせたいと思ったので、BGMやSEも最小限に、ただ臨場感は出る程度に調整しました。

 最後にBGMあおりながら会話が消えていく所が個人的にお気に入りです。

 

最近のこひらのワンテーマボイスドラマは、基本的に二人劇で会話聞かせる傾向にある気がしますね。

7分という時間を生かしやすい気がして、そんな感じでやってます。

普段長編ばかり作ってるので、いい気分転換にもなるなぁって思ってます。

 

●最後に

 

どんどん参加者様が増えていく「ワンテーマボイスドラマ」、今回も参加させて頂きありがとうございました。

 

毎度思いますが素敵な企画ですね、主に7分という短い時間でどれだけのものを表現できるのか。とってもおもしろいです。

これからも、何があるかは分かりませんが、参加できる限りは参加していこうと思います。

 

どうぞこれからもよろしくお願いいたします。