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『残された人形たち』編集後記

 

10月31日0時、なるらんどさん企画「ワンテーマボイスドラマ」のテーマ【人外】参加作品『残された人形たち』をUPさせていただきました。

ここではその背景というか、裏話をお話しようと思います。

 

※作品のネタバレを含みますので、作品を聞いていただいてから読んで下さい。

 

 

今回も参加させていただきました、なるらんどさん主催の「ワンテーマボイスドラマ」!!色々語っていこうと思います。

 

●脚本について

このお話は別作品のボイスドラマ(JOKERSの方です)の選曲をしている途中に聞いた、PeriTuneさんの楽曲から生まれました。

作中にも使用させて頂いたのですが、とってもメルヘンでかわいくて、お人形にぴったりのBGMで。

この曲を聞いた時に「うわ~お人形出てきそう~てかこの曲でお人形出てくる話書きたい~」と思いまして。

そして「あれ、人形も『人外』よね?」という結論に至り。

ちょっと不安だったので書く前に主催のなるらんどさんに確認してしまったのですが、様々な方の作品が公開された今では、ありとあらゆる『人外』が溢れているのでそんなに気にしなくてよかったなと思っています。

 

お人形をテーマにしたいと思った時、思い出したのは実家の押入の段ボールに今でも眠っているであろう、人形たちでした。

姉と一緒に小さい頃からリカちゃん人形で遊んで、新しいものも買ってもらって、洋服や家具を買ったり、作ってもらったりして。

一旦興味は薄れたものの、中学校で『ローゼンメイデン』にハマってからは再燃してしまい、球体関節人形、ビスクドール、キャストドールなど、色んな人形に興味を持つようになりました。

大学のバイト代でお高いドール(SD、LUTS)にも手を出してしまったりしたのですが、沼が深すぎることに気づき抜け出しました。

そして結婚時に、小さい頃遊んでいたリカちゃん人形たちと共に押入に眠らせてしまいました。

今でもその人形達のことを思い出すことはあって、段ボールに押し込まれたままでごめんね、と思うことがあります。

そして、今はコロナ禍。

私はこの情勢の中、2年ほど地元に帰省できていません。

次地元に帰れるのって、いつなんだろう。

もしこのままコロナ禍が明けないままだったらどうなるんだろう。

例えば私がもし妊娠して自由に動けなくなったら、ずっと帰れないままなんだろうな。

そんなことを思って、このお話ができました。

私の実家の人形たちへ、「また帰るからね」とのメッセージのつもりです。

 

●キャストさんについて

脚本が完成し、お願いするキャストさんを考えた時、重視したのは

「人形役と、女性・母親・子ども役を兼ねることができる」方でした。

既に存じ上げていた方のサンプルボイスを聞きまくり、3人のキャストさんにお願いしました。

 

落ち着いたしっかり者のデイジーと子ども役を双葉せいかさんに。

デイジーのお姉さんボイスももちろん大好きですが、子どものぐずった演技がこれまたすごい・・・と何回も聞いていました。

ツンツンとしてちょっぴり意地悪なリリーと母親役をしのぶさんに。

自分はしのぶさんのこういう演技が好きなんだと思い知らされましたね。

お母さんの声も「めっちゃいそう・・・!」と思ってました。

1番の甘えん坊でかわいらしいマリーと女性役をユリハラ虧夕さんに。

マリーはひたすらかわいいしなでなでしたくなるし、女性役はすごくリアルでこちらも「めっちゃいそうこの子・・・!」と。

 

お三方とも本当に声幅が広くて、音源を聞きながら「えっ合ってるよね?この方の声よね?」とお名前を二度見していました。

別のキャストさんではなく、兼役でお願いしたいという私のワガママを聞いて下さり、感謝しています。

キャストの皆さん、ご協力ありがとうございました。

 

●編集について

編集自体はサクサクできました。

こだわりとしては、女性が帰ってきた時から押入を開けるまでの台詞や効果音をちょっとこもらせた所です。

押入を開けたらちゃんとクリアに聞こえる、という。

今回はイラストでkuren.さんの「MY DOLL MAKER」を使用させていただいたことで、かわいい世界を作れたかなと思います。

(このメーカーめちゃくちゃかわいいので、いつかまたお人形が出てくるボイスドラマ作りたいですね・・・お借りしたい・・・)

 

●最後に

ということで、投稿後のあとがきでした。

企画のなるらんどさん、ご協力頂いたキャストさん方、聞いて下さったリスナーの皆さん、ありがとうございました。

 

これからもよろしくお願いします。

 

ご実家に、小さい頃に遊んだお人形やフィギュア、おもちゃ達が眠っているというあなた。

このボイスドラマを聞いた後、ほんの少しだけ、思いを馳せてみませんか?

もしかしたら、押入で楽しくおしゃべりしながら、あなたの帰りを待っているかもしれませんよ。